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Lecture by Iraq doctors: Effects of depleted uranium in Iraq

イラクにおける劣化ウラン弾被害に関する講演会
~バスラ癌研究グループ専門医が来日

また今年も8月がやってきます。終戦から65回目の夏です。

日本は唯一の被爆国ですが、原子力発電所の労働者から元核実験場近くに住む住民まで、被曝者は現在も生まれています。

漢字で書くと爆撃の「爆」とさらすの「曝」で異なります。被「爆」者は核爆発や核兵器の攻撃を受けた人々のことで、被「曝」者はそれ以外で放射線を浴びた人のことと字の上では区別されてきました。しかし今ではどちらも被ばく者とひらがな表記にすることが多いようです。また、ヒバクシャとカタカナ表記をする人の中には、世界中に被ばく者がいるという理由を挙げる人もいます。

さて、第二次大戦後数十年たってから、不条理な戦争の結果この「爆」とさらすの「曝」の両方の被害に遭った人たちがいます。それは、ボスニア、コソボ、イラク、アフガニスタンの人たちです。

もちろんそこで使われたのは核爆弾ではありません。原子力発電所で使用する燃料用ウランを生産(濃縮)する時にできる、劣化ウラン(DU)という廃棄物を使用した銃弾や砲弾です。

劣化ウランは以前はほとんど使い道がなく廃棄物扱いされていました。しかしその比重は鉛以上に重く、衝撃で発火するという特性を備えていたため、戦車や装甲車の鋼板を貫通するための砲弾や銃弾の弾心として利用されるようになりました。

米国は1959年頃から劣化ウラン弾の開発を始め、1978年から陸軍が配備し、1991年の湾岸戦争で初めて実戦使用されました。この時は米英軍合わせて280トンの劣化ウラン弾を使用しました(NIジャパン94号「劣化ウラン兵器問題」)。

劣化ウランの放射能は自然界に存在するウランの60%あまりの強さで、米軍などはそれを錦の御旗にして劣化ウラン弾の使用による地域住民への影響はないと言っています。しかし戦争で使われた劣化ウラン弾の微粒子が空気や水、または食物などを通して体内に入り、内部被曝を起こしてがんの原因になっていると言われています。微粒子が直接体内に入って人体の組織と「接してそこにとどまっていれば」、空気中では2~3cmしか飛べないアルファ放射線もかなりの影響を組織に与え続けます。また、重金属としての毒性も指摘されています。

これまではその直接的な因果関係は証明されておらず、戦争後の特定地域(劣化ウラン弾使用地域)におけるがんの異常発生からその因果関係が推測されてきたに過ぎません。しかし2007年11月には、国連総会第一委員会において、劣化ウラン兵器の影響を調査することを求める決議案が賛成多数で可決されました。

また画期的なことに、昨年長崎大学の研究グループが、原爆投下から60年以上経った今でも細胞の中で死の灰が放射線を出し続けている様子を世界で初めて確認しました。ぜひ画像をクリックしてニュース映像「死の灰の内部被曝確認」を見てみてください。

劣化ウラン弾の微粒子とがんの発生の因果関係の解明にも期待が高まります。

さて今回、日本イラク医療支援ネットワークの招きでイラクのがん治療の最前線で闘っている医師らが来日して東京で講演を行います。

現地では、湾岸戦争とイラク戦争の直接被害が人々の生活にいまだに影響し、その戦争の理不尽な置き土産である劣化ウラン弾による健康被害も非常に深刻です。その現実とはどのようなものなのか、直接現地の人から見聞きする貴重な機会となります。

●●●●イラクの今 現場からの証言●●●●
~バスラ癌研究グループ(BCRG)専門医が来日~

ジャワド・アルアリ医師
 (アルサドル教育病院、腫瘍専門医、BCRGメンバー)
オムラン・ハビブ医師
 (バスラ医科大学、地域医療学科/疫学・医療部門 教授、医師、BCRGメンバー)

日時:7月29日(木)19:00
開場:カタログハウスB2セミナーホール
参加費:800円(JIM-NET会員は無料)
主催:日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET)
http://www.jim-net.net/notice/calendar001.html#0729

NIジャパン

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